花 男 二 次 小説。 【シンイ二次】金銀花14(終) : 筆記

Last Promise 【花より男子 二次小説】 (7ページ)

花 男 二 次 小説

あのふたりは。 総二郎は、ひとり残されたホテルの前で呆然と、ふたりの消えた方角を眺めていた。 いきなり思いもよらないことを言われて、一瞬、どう言い返したらいいのかわからなかっただけだ。 それも、あきらだけならまだしも、類にまで。 「なんで、いきなり俺が牧野のことを好きだとか、そういう話になるんだ? くだらねぇ」 そう、つぶやいて、総二郎の前で彼を待っていた車に乗り込んだ。 確かに今日は、司から、牧野と別れたという報告を受け、あいつのために付き合った。 けれど、それは何も特別なことではないし、今までだって、何度か似たようなことがあったじゃないか。 牧野と司が別れた理由は、牧野が英徳の大学に進学してきたことで、そういう結果に至るまでの過程は見ていてわかった気はする。 NYでの司の異常なまでの忙しさと、牧野がそのことについて何一つ不満を言わずに、会えない寂しさや、さまざまな想いをひたすら我慢して、講義に打ち込み、そして生活費のために自分も必死に働く姿を、この一年間、ずっと近くで見てきた。 結果的に、別れを選んだふたりの決定打がなんだったかは、敢えて詮索する必要もない。 それが、男と女の関係。 冷たいようだが、総二郎はそう思っていた。 そんな総二郎にむかって、あのふたりは、 「これから、おまえはどうするつもりだ」 そう、問うてきた。 簡単だ。 何も変わらない。 ただの仲間だ。 けれど。 そんなことを思う一方で、今日の牧野の涙を思い出している、自分がいる。 総二郎はため息をついた。 確かに、ひとつわかっていることが、ある。 今、他のオンナと付き合っていたとしても、たぶん。 それは、今までは司の彼女として、そして高校からの友人として、F4共通の仲間として、受け入れているということとは、違うのだろうか。 そう考えながら、外を見ようと視線を横に移すと、外はまだ暗く、車の窓ガラスに、総二郎自身の顔がはっきりと鏡のように、映っている。 その表情(かお)は、眠気と戦う、ただの遊び人の顔ではなく、ひとりの女性を、心配している男の表情だった。 そんな自分の顔に気づき、ついと窓から目を逸らす。 そのくせ、目を閉じて、再び考えてしまうのは、先ほど別れたばかりの、牧野のこと。 それは、総二郎も認めていた。 そして、牧野を、綺麗にしたのは、おそらく司の存在だろうし、もしかしたら、類の影響もあるかもしれない。 何もしていないはずだ。 何もしていない、ということは、牧野に対して特別な感情なんて、持っていないってことじゃないのか? 総二郎は、自分のなかで、そう結論がでたことで、ほっとして、 「やれやれ」 と、ため息をついた。 牧野に対する自分の気持ちを、こんなふうに、わざわざ確認する必要があるなんて思わなかった。 それにしても、牧野はこれからどうするのだろう。 更新日:2013-04-25 15:40:47•

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L'homme du destin 〜運命の人〜 花より男子二次小説

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あのふたりは。 総二郎は、ひとり残されたホテルの前で呆然と、ふたりの消えた方角を眺めていた。 いきなり思いもよらないことを言われて、一瞬、どう言い返したらいいのかわからなかっただけだ。 それも、あきらだけならまだしも、類にまで。 「なんで、いきなり俺が牧野のことを好きだとか、そういう話になるんだ? くだらねぇ」 そう、つぶやいて、総二郎の前で彼を待っていた車に乗り込んだ。 確かに今日は、司から、牧野と別れたという報告を受け、あいつのために付き合った。 けれど、それは何も特別なことではないし、今までだって、何度か似たようなことがあったじゃないか。 牧野と司が別れた理由は、牧野が英徳の大学に進学してきたことで、そういう結果に至るまでの過程は見ていてわかった気はする。 NYでの司の異常なまでの忙しさと、牧野がそのことについて何一つ不満を言わずに、会えない寂しさや、さまざまな想いをひたすら我慢して、講義に打ち込み、そして生活費のために自分も必死に働く姿を、この一年間、ずっと近くで見てきた。 結果的に、別れを選んだふたりの決定打がなんだったかは、敢えて詮索する必要もない。 それが、男と女の関係。 冷たいようだが、総二郎はそう思っていた。 そんな総二郎にむかって、あのふたりは、 「これから、おまえはどうするつもりだ」 そう、問うてきた。 簡単だ。 何も変わらない。 ただの仲間だ。 けれど。 そんなことを思う一方で、今日の牧野の涙を思い出している、自分がいる。 総二郎はため息をついた。 確かに、ひとつわかっていることが、ある。 今、他のオンナと付き合っていたとしても、たぶん。 それは、今までは司の彼女として、そして高校からの友人として、F4共通の仲間として、受け入れているということとは、違うのだろうか。 そう考えながら、外を見ようと視線を横に移すと、外はまだ暗く、車の窓ガラスに、総二郎自身の顔がはっきりと鏡のように、映っている。 その表情(かお)は、眠気と戦う、ただの遊び人の顔ではなく、ひとりの女性を、心配している男の表情だった。 そんな自分の顔に気づき、ついと窓から目を逸らす。 そのくせ、目を閉じて、再び考えてしまうのは、先ほど別れたばかりの、牧野のこと。 それは、総二郎も認めていた。 そして、牧野を、綺麗にしたのは、おそらく司の存在だろうし、もしかしたら、類の影響もあるかもしれない。 何もしていないはずだ。 何もしていない、ということは、牧野に対して特別な感情なんて、持っていないってことじゃないのか? 総二郎は、自分のなかで、そう結論がでたことで、ほっとして、 「やれやれ」 と、ため息をついた。 牧野に対する自分の気持ちを、こんなふうに、わざわざ確認する必要があるなんて思わなかった。 それにしても、牧野はこれからどうするのだろう。 更新日:2013-04-25 15:40:47•

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Last Promise 【花より男子 二次小説】 (7ページ)

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「前を向いて」 ウンスは明らかに強張った顔を前に向けたまま、ごくごく小さな声で言った。 もちろん、横に座っているチェ・ヨンに言っている。 チェ・ヨンは、はっと気づいて前を向くが、しばらくするとまた横にいる ウンスの方に顔が傾いて、じいっとその姿を凝視する。 「前を向いて」 もう四度めだ。 叔母であるチェ尚宮以外の面々は、微笑ましい光景として、 笑いを噛み殺しているが、ウンスは気が気でない。 チェ・ヨンが妖術にでもかかっているかのように、ウンスの姿に 引き寄せられてしまうのも仕方がない。 ウンスの花嫁衣装は王妃自らが差配をしたもので、白の絹地にごく細い赤糸を使って、 動物や植物が刺されている。 白は身分の低いものが使う色だから、と王妃は渋ったが、ウンスはそれだけは、 と譲らなかった。 王妃はウンスがそう言うならば、と言い分を飲んだが、 その代わり、と生地に白と薄桃でびっしりと地紋のように刺繍をさせ、さらにその上に 入れた赤の色刺繍も金の糸をふんだんに使わせた。 吹けば飛ぶような細い糸を幾重にも重ねて刺繍したそれは、 参道を上る折には、陽光を受けてきらめき、最後まで赤色の長衣(ファルオッ) を用意したいと言い張っていた王妃でさえ感嘆する出来栄えだった。 仕立てられた花嫁衣装はずっしりと重かったが、ウンスの足取りは軽かった。 ここは松獄山の陰にそびえる開京鎮守の山、五冠山の山麓、霊通寺の普光院。 王城、城下よりはやや遠いが、崔(チェ)家ゆかりの寺での婚儀が 執り行われている真っ最中だ。 大師の敬白(式の説明)の最中は、ウンスをひやひやさせたチェ・ヨンも、 向かい合わせに座り、心ゆくまでウンスの姿を眺められるようになると ようやく落ち着きを取り戻している。 目の前の盃に酒が注がれる。 一度目は捨てて、二度目はあける。 味などてんでわからない。 盃を手にとった時に、チェ・ヨンと目があって、口をつけて盃を持ち上げると 酒が口に流れこみ、顔を戻すとやはりチェ・ヨンと目があった。 チェ・ヨンがむず痒そうな顔で、ウンスを見た。 これで、わたしたちは、夫婦(めおと)になったのだ。 小さく微笑み返すと、チェ・ヨンは自分が浮かべていた表情に初めて気づいたようで、 慌てたように顔を横に向けた。 「あやつめ、有頂天、ですな」 チェ尚宮は、葡萄酒をごくりと飲みこむと、庭園に急ごしらえで作られた東屋の下で、 王と並んで酌み交わしているチェ・ヨンを、杯を揺らして指差した。 普段は冷静なこの人も、長く気にかけてきた甥の結婚には流石に心が動くらしく、 普段は飲まぬ葡萄酒を何杯かあけて、もの言いも心持ちあからさまになっている。 ウンスがチェ尚宮の差す方を見ると、王とチェ・ヨンが何やら顔を寄せて話している。 何か下世話な話でもしたのか、二人で肩を揺らして笑っていた。 「あら、いやあね、男二人。 何を話しているやら」 こちらも少し酔い気味のウンスがそんなふうに言うと、王妃はぎょっとしたように、 ウンスを見た。 高麗広しと言えども、王と大護軍を男二人などと言ってみせるのは、 このウンスだけだろう。 この風変わりな宴席もウンスが設けたものだった。 王を屋敷にお呼びすることの意味がわかっているのか、 もし呼ぶならせめて、本屋敷へと言うチェ・ヨンの言葉を退けて、 ウンスはこれから住まうこの屋敷で「ガーテンパーティー」がしたいのだと言い張った。 王と上臣を呼ぶのはわかるが、百歩譲って護軍ならともかく、于達赤隊の一兵卒を 同席させて饗応するなどありえない、とチェ・ヨンは説いたが、ウンスは粘り強く ならばならばと宴のプランを修正し続けて、最後にはチェ・ヨンが白旗を上げた。 「俺にはあなたの考えていることが、わかりません。 もう、お好きになさってください」 ウンスの粘り強さに恐れに近い表情を見せながら、チェ・ヨンはそう言った。 まかせなさい、悪いようにはしないから、と言い放った通り、 宴席のあり方は異例ではあったものの、チェ尚宮とドチの大いなる助けによって 大きな問題を避けて開かれることとなった。 ウンスの言う「ガーデンパーティー」は典雅な宴であると、来客たちには概ね 好評を博しているようだった。 部屋の中に設けられた宴席からは、縁伝いに庭まで降りられるよう、毛氈が敷かれている。 庭の一角には大きな四角の緋毛氈があり、その上に並べられた卓には祝宴の支度が 整えられている。 駐屯の地より平壌に呼び寄せられ、そのまま本来の任務である王の護衛に戻って、 開京までを共にした于達赤隊の面々は、はじめこそ王や王妃、並びいる宰相 といった顔ぶれの客たちに、小さくなっておとなしくしていたが、 王と王妃は東屋に別に席を設け、上臣たちは部屋の中で過ごすということがわかると、 いっせいに庭に降りて、普段は口に入らぬ上等の酒やら料理に群がって、 そのあとは打ち鳴らされる銅鑼やら太鼓やら鼓に合わせて、 歌うもの、踊るもの、笑うもの、とはしゃいだ様子を見せていた。 「テホグンの嫁取りを、この目で見られるとは…」 めっぽう酒に弱いチュンソクは、同じ言葉を繰り返しては、同じように感激している。 テマンはチェ尚宮にいいように使われていて、あれを取ってきなさい、 これも足りないと言われるたびに、嬉々として走り回っている。 トクマンとチュモは、予想外に見事な舞を見せて喝采を受けた。 古巣の鷹揚軍の護軍アン・ジェの元で、控えめに何かの話をしているオ・ソクチェの 姿も見えた。 二人にゆかりのあるものは、皆すべて、この庭に集ったのだ。 王がふと顔を上げると、王妃がウンスの髪飾りと乱れかけた髪を直してやっている。 明るい日の光の下で、笑いながら。 王は、その姿を惚れ惚れと眺めた。 * 「これはすいかずら、解熱鎮痛に効果があり、厳しい冬の間も葉を落とさぬことから、忍冬、またふたいろの花を咲かすことから、金銀花、双宝花とも呼ばれています。 こちらは連翹…」 低い声で流れるように説明をしていたチャン侍医の言葉が途切れた。 横で聞いていた王が、つと顔を上げる。 「どうした。 続けよ」 は、と頭を下げながら、チャン侍医は言葉につまる。 王がその様子を見て、訝しげに首をかしげた。 「言いたいことがあるなら、言うがよい」 うながされてチャン侍医は頭を上げる。 恐れながら申し上げます、とためらいながら言った。 「薬草院のことなど、これほど詳しくお聞かせしてもせんのないこと。 城にご到着されて日も浅く、政務が山積みではございませんでしょうか。 チョナのお時間を無駄に使っているのではと…」 王は、そんなことか、とため息をつく。 それから自分の手のひらを胸の前で、揃えて見せた。 「チャン侍医よ、いまこの城の中で余の見方と呼べる人員はまことに少ない。 この両の指で数えられるほどだ。 しかしながら、余はこの少ない臣を信じて進むよりない」 そちもその一人である、と王はチャン侍医を見る。 ありがたきこと、とチャン侍医は王の率直な物言いに、戸惑ったように言った。 「この貴重な家臣を余は事細かに知り尽くし、手駒として使わねばならぬ」 城の隅々についても、知らねばならぬ、ひとつもおろそかにできぬ、と王は言った。 だから、無駄と思わずに何事もつぶさに説明せよ、と。 チャン侍医は、御意、と答え、また薬草院を歩き出した。 * 「双宝花、と言うそうじゃ」 王が横のチェ・ヨンに、つぶやくように言った。 その視線の先には、竹垣のそばで何を話しているのか、手で口を押さえて くつくつと笑っている王妃とウンスの姿があった。 「チョナ?」 チェ・ヨンは王の言葉が飲み込めず、問い返す。 王妃とユ・ウンスの側に咲いている、あの花の名である、と王が言うと、 チェ・ヨンもそちらに目をやって合点する。 「双宝花、ですか」 そうだ、と王が言ってチェ・ヨンを見ると、チェ・ヨンもまた王を見て、 それから口元に笑みを浮かべた。 どっと笑い声がして、二人が同じ方を向くと、酔った于達赤隊の面々が 可笑しなことをしでかしたらしく、ウンスがそれを指差して、王妃も チェ尚宮も珍しく口を大きく開けて笑っている。 それを見て、チェ・ヨンが声を上げて笑った。 王は静かにチェ・ヨンを見ている。 それから、深く息を吸い、言う。 「善き日である!」 王がそう言うと、チェ・ヨンは笑いをおさめ、顔を向けた。 そして膝を打ち、まことに、としみじみと言うと、盃をあけた。 (終わり).

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