ポールダノ 映画。 『スイス・アーミー・マン』公式サイト

www.m6mobile.fr: スイス・アーミー・マン(字幕版): ダニエル・ラドクリフ, ポール・ダノ, メアリー・エリザベス・ウィンステッド, ダニエル・シャイナート: generic

ポールダノ 映画

今回取り組んだのは、19歳で天才作家として華々しくデビューしながらも、その後10年間ベストセラーを書けずに悶々とし続けているカルヴィンと、彼が小説のヒロインとして描き始めたものの、なぜか現実世界に飛び出してきてしまったキュートなルビーとの、ちょと風変わりで、ちょっと切ない恋物語。 始めは自分が変になってしまったのだと驚くカルヴィンだが、ほかの人にもルビーが見えることに気づく。 やがて自分が小説を書き進めるたびに、ルビーを意のままに操れることを知ったことから、カルヴィンは何もコントロールせず2人の関係を自然にまかせるべきかどうかで葛藤するというストーリーだ。 2006年、『リトル・ミス・サンシャイン』で世界中を魅了し、アカデミー賞を沸かせたジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリスの夫婦監督コンビが、6年ぶりに待望の新作を発表した。 今回取り組んだのは、19歳で天才作家として華々しくデビューしながらも、その後10年間ベストセラーを書けずに悶々とし続けているカルヴィンと、彼が小説のヒロインとして描き始めたものの、なぜか現実世界に飛び出してきてしまったキュートなルビーとの、ちょと風変わりで、ちょっと切ない恋物語。 始めは自分が変になってしまったのだと驚くカルヴィンだが、ほかの人にもルビーが見えることに気づく。 やがて自分が小説を書き進めるたびに、ルビーを意のままに操れることを知ったことから、カルヴィンは何もコントロールせず2人の関係を自然にまかせるべきかどうかで葛藤するというストーリーだ。 ファリス監督は、「映画は質問を投げかけているわ。 もしも自分が愛する人を変えられるとしたら、人はそういう誘惑に耐えられるかどうか? 仕事とか人間関係とかをコントロールできるという誘惑を見せて、そういう支配によって自分が愛するものが壊されてしまうことを描いているのよ」と話す。 つまり、カルヴィンが経験することは、実際の恋愛関係についてのメタファーとも言えるのだ。 実は、物語だけでなくこの作品にユニークさを添えているのが、主演を務めている2人。 カルヴィン役を演じるのはポール・ダノ、ルビー役を演じるのはゾーイ・カザン。 2人は、アメリカのエンターテインメント界注目の若手カップルで、私生活でも恋愛関係にある。 そして、本作の脚本は、ゾーイが手がけたものだ。 ゾーイはポールのためにカルヴィンというキャラクターを書いたのだという。 「そう、ゾーイは僕の恋人だ。 彼女はブルックリンにある僕たちのアパートのカウチに座って、このを書いた。 僕らはとても運が良かった。 10ページを書き終える頃には、『これを書き終えたら、ジョン(デイトン)とヴァレリー(ファリス)に送るべきだよ』と言ったんだ。 あの2人はこの映画の監督としてぴったりだと思ったし、以前に仕事()で組んで知っていたからね。 でも、本作であの2人と組むというのは夢にすぎなかった。 本当に実現するなんて思いもしなかった。 だから、こうしてこの映画を作ってこのセットにいられて、とんでもなくラッキーだと思っている」。 「ゾーイが書いている間、邪魔をしたという点では脚本執筆に手を貸したと言えるかも」と笑うポール。 役と自分との共通点があるかどうかについては、「さあ、どうかな」と首をひねる。 「運良く、ゾーイはとても才能のあるライターで、あの役に僕の性格の一部を使ったし、長所もいくつか取り入れた。 僕の性格が多少、反映されているか? たぶん、そうなんだろうと思う。 恐らく、カルヴィンには僕が気づいていない部分が組み込まれているんだろうな。 おかしなことだよね。 役者というのは、どんな役でもできるだけ自分を生かそうとするけれど、同時に本当の自分からは思いっきり距離を置こうとするんだから」。 実生活でも恋人のゾーイと、恋人役での共演というのがとても気に入っているというポール。 ゾーイも同じ意見のようだ。 ポールと一緒に演じるのはとてもやりやすいわ。 彼はすばらしい人でとてもいい役者だけど、この映画を作るのは、ある意味、とても大変だった。 私たちは仕事場と家を一緒に往復して、毎日14時間一緒だった。 一緒に多くの時間を過ごしたけれど、それは恋人だからではなくて映画のためだった。 あの状態は、赤ちゃんが生まれたばかりの状態にちょっと似ているような気がする。 睡眠時間が足りないって意味でね。 いつも映画の世話をしていなければならないから。 私たちは、いままで一度も口ゲンカをしたことのないようなことでモメたわ。 車の中で聞く音楽のこととかね(笑)」。 脚本の執筆も行ったゾーイは、ピグマリオン神話からインスピレーションを得たというこのユニークなストーリーの主人公を、ポールに演じてもらいたいと早い段階から考えていたという。 「私は、すぐに満足を手にしたいタイプなの(笑)。 舞台で演じているせいで身についた悪い癖ね。 舞台では人々の反応をすぐ耳にしているから。 脚本を書いたら、いつもポールに見せているわ。 仕事に疲れて帰ってきた彼に、『すぐにこれを読んで!』と言ってね。 実際、そうしたの。 ある朝、最初の5ページを急いで書いて、ポールに向って、『これ、いいと思うわ』と言ったの。 彼はそれを読んで、『僕たちのために書いているんだね』と言ったわ。 そんなこと考えていなかったんだけど、そう言われて『もちろん、そういうことよ』と答えた。 私はカルヴィンの姿を、痩せていて背が高く、メガネをかけていると書いた。 明らかに、ポールのことを書いていたのね。 それで、残りの部分は、ポールをカルヴィン役に考えながら書き上げたわ」。 そんなゾーイが興味を持つのは、人間関係はどう変わっていくのかということだとか。 「2人が付き合いだしたときというのは、最初の1、2年は強制的な考えに囚われると思う。 それから少し時間が経つと、そういう強制的な感覚が薄れる。 その次に来るのは選択。 あなたを裏切らないこと、あなたを愛することを選んだ。 強制と選択は正反対のもので、本作では一部で、それについて描いている。 冒頭では、全てが強制の話だけど、ルビーとカルヴィンが付き合い始めると、突然、今度は選択の話になる。 彼はそういう考えに怯えて、普通ならやらないかもしれないことをやってしまう。 不安に襲われる状況に陥ると、極端なことをやる人は大勢いると思うわ。 愛を失うことの恐怖はとても大きいから」。 そんな恋人同士のリアルな感情を表現した本作で、夫婦、恋人同士という親密な関係にあるクリエイティブな4人が現場に集まったことについては「そのおかげで映画製作のプロセスでもっと協力し合うことができたわ」とゾーイは話す。 「私たちはとてもオープンに話し合いをして、全員が参加した。 ジョナサンとヴァレリーの関係や、2人の仕事ぶりを見ていると、どうしてああいうふうにできるのか分からない。 2人には独特の魔法があるみたい。 お互いに支え合っているから、相手の考えていることが全部分かるの。 20年後に、ポールとあんなふうに仕事ができたら、とても嬉しいわ」。 まさに、現実とフィクションが交差する。 面白くないはずない! 《text:June Makiguchi》.

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映画『ワイルドライフ』公式サイト

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10歳の頃スカウトされ、12歳でブロードウェイの初舞台を踏み、17歳の時に「L. E(原題)」(01)で映画デビューする。 メインキャストを務めたロードムービー「リトル・ミス・サンシャイン」(06)は、米国でロングランヒットを記録。 ポール・トーマス・アンダーソン監督作「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(07)では牧師役で強烈な印象を残し、その後アカデミー作品賞受賞作「それでも夜は明ける」(13)や、ドゥニ・ビルヌーブ監督のスリラー「プリズナーズ」(13)に出演。 「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」(15)ではビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの若き日を演じた。 17年、「Wildlife(原題)」で監督、脚本家デビュー。 その他の出演作に「グランドフィナーレ」(15)、「オクジャ okja」(17)などがある。 私生活では、製作総指揮と主演を務めた「ルビー・スパークス」(12)で共演したゾーイ・カザン(脚本・出演)と長年交際している。 関連作品(映画)• 6 2019年公開• 4 2017年公開• 4 2016年公開• 5 2015年公開• 8 2014年公開• 7 2014年公開 受賞歴.

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『ワイルドライフ』映画レビュー「個性派俳優ポールダノの初監督作品は機能不全な田舎家族!?」

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無人島で助けを求める孤独な青年ハンク(ポール・ダノ)。 いくら待てども助けが来ず、絶望の淵で自ら命を絶とうとしたまさにその時、波打ち際に男の死体(ダニエル・ラドクリフ)が流れ着く。 ハンクは、その死体からガスが出ており、浮力を持っていることに気付く。 まさかと思ったが、その力は次第に強まり、死体が勢いよく沖へと動きだす。 ハンクは意を決し、その死体にまたがるとジェットスキーのように発進!様々な便利機能を持つ死体の名前はメニー。 苦境の中、死んだような人生を送ってきたハンクに対し、メニーは自分の記憶を失くし、生きる喜びを知らない。 「生きること」に欠けた者同士、力を合わせることを約束する。 1999年、テレビドラマ『デビッド・コパーフィールド』で俳優デビュー。 2001年、『テイラー・オブ・パナマ』でスクリーンデビュー。 その後、世界的メガヒットとなった『ハリー・ポッター』シリーズで主演を務め人気を確立。 2010年のシリーズ最終話8作目を終えてからも多様な才能を発揮し続ける。 2012年イギリス・ホラー映画『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』で主演を務めるほか、その後も、デイン・デハーンと共演した『キル・ユア・ダーリン』(13)、『ホーンズ容疑者と告白の角』(13)、『もしも君に恋したら』(13)、ジェームズ・マガヴォイと共演した『ヴィクター・フランケンシュタイン』(14)、ジェシー・アイゼンバーグ主演作の続編『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』(15)などに出演。 舞台では、2007年に全裸姿での演技が話題となった「エクウス」で主演を務めブロードウェイデビュー。 演劇ファンチョイス賞、ブロード・ウェイ・ドット・コム・オーディエンスアワードで最優秀主演男優賞、ブレーク・スルー・パフォーマンスアワードを受賞した。 2011年には10か月間チケットが完売状態だったミュージカル「ハウ・トゥ・サクシード-努力しないで出世する方法-」で主演を務めた。 1984年6月19日、アメリカ合衆国・ニューヨーク州生まれ。 10歳の頃スカウトされ、12歳でブロードウェイデビュー。 17歳の時に出演した『L. E(原題)』(01)で映画デビュー。 インディペンデット・スピリット賞最優秀デビュー演技賞、監督週間賞の最優秀俳優賞を受賞。 その後、『卒業の朝』(02)、『キング 罪の王』(05)などに出演し、2006年、『リトル・ミス・サンシャイン』で日本でも知られるようになる。 その後、英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたポール・トーマス・アンダーソン監督作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(07)、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『プリズナーズ』(13)、アカデミー賞作品賞に輝いたスティーブ・マックィーン監督作『それでも夜は明ける』(13)、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールにノミネートされたパオロ・ソレンティーノ監督作『グランド・フィナーレ』(15)など名だたる監督たちの作品に出演。 15年『ラブ&マーシー終わらないメロディー』ではビーチ・ボーイズの作曲家でミュージシャンのブライアン・ウィルソンを演じ、ゴッサム・インディペンデント映画賞の最優秀男優賞を受賞した。 最新作は、ポン・ジュノ監督のNetflixオリジナル映画『オクジャ』。 また、2012年『ルビー・スパークス』では主演&製作総指揮を務め、出演&脚本のゾーイ・カザンとはプライベートでも交際している。 1984年11月28日、アメリカ合衆国・ノースカロライナ州生まれ。 12歳までバレエスクールに通うが、その後役者を目指すようになる。 97年にTVドラマに初出演、99年に映画デビュー。 2005年『ザ・リング2』『スカイ・ハイ』、2006年『ファイナル・デッドコースター』の出演を経て、2007年『ダイ・ハード4. 0』で主演ブルース・ウィリス演じるジョン・マクレーンの娘役に抜擢。 続いて、クエンティン・タランティーノ監督『デス・プルーフinグラインドハウス』に出演。 2011年のエドガー・ライト監督によるカルト・コミックの実写化作品『スコット・ピルグリムVS. 邪悪な元カレ軍団』ではヒロイン役としてマイケル・セラと共演する。 ダニエル・クワン(Daniel Kwan)とダニエル・シャイナート(Daniel Scheinert)の2人組みの通称。 ダニエル・クワンはアメリカ合衆国・マサチューセッツ州で生まれ、アニメーションとグラフィックの業界で働き始め、同国・アラバマ州出身のダニエル・シャイナートと出会った。 クリエイティブ・デュオとして彼らは共に監督、編集、VFX、時にダンス、演技、スタントまでも手がける。 2014年、彼らはDJスネークとリル・ジョンの圧倒的人気を誇るミュージック・ビデオ「Turn Down for What」でMTVビデオ・ミュージック・アワードの最優秀監督賞を受賞し、第57回グラミー賞最優秀ミュージック・ビデオ賞にノミネートされた。 2011年、マンチェスター・オーケストラ「SimpleMath」でUKミュージック・ビデオ・アワーズVideooftheYearを受賞。 2012年、バトルス「MyMachine」でSXSW映画祭の最優秀ミュージック・ビデオ賞を受賞。 2013年には、フォスター・ザ・ピープル「Houdini」で第55回グラミー賞最優秀短編ミュージック・ビデオ賞にノミネートされた。 また、ショートフィルムの制作にも取り組んでおり、革新的な会話劇である『Possibilia』は2014年のトライベッカ映画祭でプレミア上映されフューチャー・オブ・ストーリー・テリング部門で最高賞を受賞。 翌年のサンダンス映画祭ニュー・フロンティア部門でも上映された。 2015年には、ファッションサイト「DAZED DIGITAL」とのコラボレーションで短編『Interesting Ball』をリリースしSXSW映画祭で上映された。 予想外な絆の中に見つける人間性 『スイス・アーミー・マン』は、人生の過渡期におり、無人の浜辺に打ち上げられた漂流者のハンク(ダノ)の物語だ。 彼は、浜辺に打ち上げられた水死体で、ハンクが予想だにしなかった方法で新たな希望をもたらす、メニー(ラドクリフ)という仲間を見つける。 2人は親密で思いもしなかった関係を育んでいき、それは大自然の中で生き抜くための努力を試される中で、愛とも呼ぶべき関係へと発展していく。 彼らは共生的に絡み合い、互いを支え合い高め合っていく。 この新たに築かれた友情が文明によって脅かされるまでは。 「毎日、ダニエルズは驚くほどすばらしい脚本にどのように命を吹き込むんだろうと思いながら現場に行っていたよ」と、ラドクリフは語る。 「毎日、2人は一見シンプルに見える方法で、驚くようなことを見つけだすんだ。 この映画の撮影における最大の喜びの1つは、監督たちが自分たちの頭の中にあるイメージを現場で具現化させるところを見られたことだったよ」。 本作では、事もあろうに、おならの中に、次第に失われていく人間性を描いている。 「僕たちは正道から外れた小さな中心点をまず決め、それを支えるためのあらすじを考えたんだ。 その途中で、パーソナルな何かや、それほど正道から外れていない人間を見つけていった。 『誰だっておならをする、それでいいんだ』ってわけさ。 通常であれば周囲の人々に避けられるかもしれないが、代わりに、より親密にする何かがあれば、人生を前向きに生きられるんだ」。 『スイス・アーミー・マン』の中心にあるのはブロマンスだ。 または、片割れがたまたま死んでしまっているバディ・ムービーとも言える。 この作品は、深遠で度々めまいがするようなレベルで、人間関係を中心に据えた、ウキウキするような創作の意欲とつながる喜びを表現している。 「これは普遍的な愛についての映画なんだ」とシャイナートは主張する。 「僕たちは、それをわざわざ説明することなく、もっとシンプルな方法を開拓したかったんだ」とクワンがつけ加える。 「この作品は、何かを、または誰かを必要とする2人の物語で、彼らはそれを何もない所から見つけるんだ。 できれば、観客のみんなには、映画を観たあとに2人の嗜好について疑問を感じてもらいたいね」。 奇妙な勝利:ハンクとメニーのキャスティング 脚本の最終版ができあがると、ダニエルズは『スイス・アーミー・マン』の核となる忘れがたい2人組の役に合う俳優を探しはじめた。 彼らが求めたのは、創造性という点で気心が合う人物たちで、ダニエル・ラドクリフとポール・ダノというありそうでなかったコンビを見つけ出したのだ。 ラドクリフは、インディーズ作品やブロードウェイ・ミュージカルへの出演を経て、ハリー・ポッターを演じていた頃からすっかり成長していた。 「大変だったのは、歌を歌えて、一緒に働きやすく、才能がある人物を見つけ出すことだった」とシャイナートは説明する。 ダノは第一候補だった。 『リトル・ミス・サンシャイン』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』などに出演する熟練の俳優であるダノは、大胆で冒険心があり調子の悪い役柄にはなじみがあった。 「ハンクは彼にとってありきたりの役柄ではなかったけれど、ダノはこのキャラクターを面白い方向転換として捉えたんだ」とクワンは説明する。 「おかげで、あの偉大な映画は俳優を僕たちのバカげた物語の中心に据えることができたんだ」とシャイナートはつけ加える。 「ダノは親友になったよ。 なぜなら、彼も芯の部分では変わり者だからね。 ダノとダニエル・ラドクリフ、そしてメアリー・エリザベス・ウィンステッド、『スイス・アーミー・マン』に出演する3人の俳優は、僕たちの奇想天外な創造の作業についていくため、自分たちの信念から脱却しなきゃならなかったんだ」。 この創造の作業では、北カリフォルニアのアメリカスギの森における数週間にわたる撮影が必要となった。 撮影では、ダノとラドクリフは肉体を酷使しなければならず、それは骨の折れる作業となった。 「たぶん、俳優になってから一番肉体を酷使したよ。 森中、ダニエルを抱え歩いただけの話ではない」とダノは語る。 「地形とアクション、それにユーモアや感情的なものが組み合わさって、酷使することになったんだ。 ダニエルズは数多くのすばらしいアイデアを映画に取り入れた。 ほとんどダンス・シーンに見えるような場面が何度もあったよ」。 『スイス・アーミー・マン』の撮影に入る前、ダノとラドクリフは顔見知り程度の仲だった。 だが脚本の読み合わせで、撮影中でもそうでなくても、親密な関係になることがこの映画において必須条件だと分かった。 「ラッキーなことに、僕たちはカメラが回っていない時もうまくやっていた」とダノが説明する。 「撮影準備のためにニューヨーク市で初めて会った時、ダニエルズがこのクレイジーな作品をどうやって完成させるつもりなのか、僕たちは2人とも不思議がっていたんだ」。 セットでは、ダノとラドクリフは抱き合う体勢が心地よくなり、長い間、絡み合っていたわけではないが、肉体的に密着していた。 「だって、映画の大部分で、2人しかいないんだ。 僕たちは常に互いを頼りあうしかなかった。 ふざけあったり友情を育んだり、対抗したり一緒に楽しんだりする余地はたくさんあったよ」。 マンチェスター・オーケストラによる音の挑戦 『スイス・アーミー・マン』の核となる躍動感を作り上げているのはマンチェスター・オーケストラのアンディー・ハルとロバート・マクダウェル作曲のユニークな音楽だ。 それはハンクの頭(そして口)から鳴り響いているという意図で創られている。 ハンクは未開の荒野に取り残され、棒きれやゴミ、そしておならが止まらない死体から自身の現実を創り出すよう追い込まれる。 制作に先立ってダニエルズは自分たちの監督デビュー作に音楽を提供してもらおうとアトランタ在住の彼らにアプローチした。 彼らバンドは脚本の精神に基づいて歌曲を提示した。 それはシャイナートとクワンにとって喜びでもあった。 彼らはその代わりに、作品を形作る時に自分たちに課すようなクリエイティブな挑戦を友人である音楽家たちへ提示した。 先駆者ハルとマクダウェルは楽器を用いず「限られた手段」で音楽を作曲するという課題を与えられた。 つまり身体から発せられる音だけを使って、もしくは森林のような自然環境に存在する音を使って。 ラストシーンまでは、音楽全体が極めてミニマリストであり、アカペラである。 映画の最後のシーンで初めて、伝統的なオーケストラ構成となる。 「この映画の大前提は常に森にいる男についてだった。 僕たち自身はそこで利用可能なものだけを使おうとしたのさ」シャイナートは説明する。 クワンは大学時代からマンチェスター・オーケストラのファンだった。 だからハルとマクダウェルが『スイス・アーミー・マン』の音楽に相応しい人間だということを分かっていたのだ。 「アンディーはボーカルメロディとハーモニーに長けているんだ。 つまり自分の声に対して非常に強いコントロール力を持っている」とクワンは主張する。 「映画はボーカル・ハーモニーだけを必要としていたんだ。 そしてロバートは匹敵する口のテクニックがある。 2人の力で本当に完璧な才能豊かな音楽チームになったよ。 」ハルとマクダウェルは通常、音楽制作には不十分とされるような材料を使って野外録音を作り上げるという挑戦に臨んだ。 「僕たちは楽器を使って音楽を創る方法は知っていた。 でも僕たちの声だけでオーケストラ風の音楽を生み出すという試みに惹きつけられたのさ」とハルは認める。 マクダウェルは付け足す。 「異なる芸術分野への敬意を、音楽という背景に存在するものを使ってどうやって表せばいいのか。 それを学ぶというのはとてもエキサイティングだったよ。 だけどダニエルズは鍵となるシーンで僕たちの音楽を大きく、音楽が取って代わるようにして欲しがった。 この壮大な音楽的瞬間に取り組みながら押し引きを見つけるということ、それは本当に芸術的挑戦だったよ。 」 確かに楽曲の精神、挑戦からの繋がりは事実上、制作過程のどの段階においても『スイス・アーミー・マン』を定義づけるものだった。 ダノとラドクリフによって、ダニエルズの当初のアイデアである「おならをし続ける死体」という考えからマンチェスター・オーケストラの口を基本とする音楽へと絆が育まれたのだ。 それはデュエットと二元性を楽しむ映画だ。 「監督2人がバディ・ムービーを成立させたのは偶然ではないんだ」と、シャイナートは言及する。 「映画を作るなんてことは狂気だよ。 そして他人も同じくらいこの狂気を愛している。 それは特別な感情だ。 そんな繋がりを築くのは難しい。 けれども魔法のようなんだ。 奇人たちに溢れた映画を僕たちは創りたかった。 人間は誰もが奥底では奇人だからさ」。

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