ジェノサイド 小説。 ジェノサイド (小説)

ジェノサイド / 高野和明 あらすじ 感想

ジェノサイド 小説

高野和明『ジェノサイド』 高野和明さん著の『ジェノサイド』を読みました。 まずその率直な感想としては、「 めちゃめちゃ面白かった」です。 僕は文庫で読みまして、文庫ですと上下巻で約800ページとけっこうボリュームはあるのですが、あまりにも面白くて、夢中になってあっと言う間に読み終わってしまいました。 僕は失礼ながら、高野和明さんという作家さんを、これまでそんなに知りませんでした。 唯一『 13階段』というのを読んだことがあります。 『13階段』は反町隆史さん主演で映画化もされていますが、僕は映画は見たことがなくて、小説だけ読みました。 そちらもとっても面白くて、あっと言う間に読み終わってしまった覚えがあります。 今回の『ジェノサイド』は、僕にとって高野和明さんの二作目の小説です。 『ジェノサイド』はいくつかの賞を受賞したり、候補に挙がったりもしていまして、それで僕も名前だけは認知していました。 最近では大きな影響力を持つ 本屋大賞でも、2012年に2位になっています。 僕は最近、本屋大賞になった作品を遡って読んだりしておりまして、そんな流れで『ジェノサイド』にも手を伸ばしてみた次第です。 そもそも「ジェノサイド」という言葉は… その共同社会や民族を滅ぼすほどの大量殺害。 集団殺戮。 と、なかなか恐ろしい言葉です。 そんなタイトルの本が一体どんな内容なのか、気になりますよね。 そして最初本を手にとって、後ろに書かれているあらすじに目を通した時点で、さらに興味はそそられました。 こちら、単行本に書かれているあらすじ(内容)を引用させて頂きます。 急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。 それがすべての発端だった。 創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。 ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。 同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。 暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。 事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。 イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。 これだけ読みますと、サスペンスの要素も強そうですし、ウィスルや難病、暗殺や紛争地帯など、様々な要素が絡み合って、面白い展開になっていきそうなストーリーです。 個人的に最初から高い期待値を持って読んでしまった本なのですが…。 その期待を裏切らないどころか、いとも簡単に超えてしまうくらい、めちゃめちゃ面白い作品でした。 抜群のエンターテインメント性とリアリティ 僕は基本的に朝夕の通勤電車にて本を読むことにしているのですが、『ジェノサイド』は一度読み始めてしまったらどうにも先が気になってしまい、自宅でも読んでしまいました。 笑 それくらい、読み出したら止まらない、面白い作品だったんです。 この作品は、ミステリー&サスペンス小説としても抜群に面白いです。 読んでいてドキドキしてしまいますし、気が付けば没頭してしまいます。 アクション映画のような要素も強かったです。 ウィスルや数学など、複雑な内容を扱っている部分もあり、場所によっては難解だったりはしますが、基本的には読みやすい本でした。 おそらく作者の高野和明さんも、この作品には物凄く手を掛けているであろうことも、読んでいて伝わってきます。 その細部や組み立て方や完成度など、僕ごときが偉そうに書いてしまってすみませんが、本当に素晴らしいです。 何よりもまず、純粋にエンターテインメントとして、この作品は抜群に面白いんです。 本筋のストーリーに加え、実際のアフリカでのジェノサイド(大量殺害)だったり、紛争問題だったり、核戦争の問題だったり、そういった部分で考えさせられたりもします。 さらにこのお話は、リアリティがものすごくあるんです。 つまり、「 本当にあってもおかしくないようなお話」なんです。 個人的な感想ではありますが。 だからこそ余計に惹き込まれたのかもしれません。 村上龍さんの作品で『半島を出よ』という、北朝鮮の特殊部隊が日本に上陸する小説があるのですが、僕は今回『ジェノサイド』を読んで、『半島を出よ』を思い出してしまいました。 『半島を出よ』は僕も以前読んでめちゃめちゃ面白かった覚えがある小説でして、印象にも残っている作品です。 高野和明さんと村上龍さんでは、作風や描写なんかは全然違いますし、小説の内容も全く違いますけれど、エンターテインメント性とリアリティという部分で、僕は近いものを感じてしまいました。 僕が『半島を出よ』を読んだのはもう10年以上前だとは思うのですが、その時の興奮や手に汗握る感覚を、今回『ジェノサイド』で久しぶりに味わった気がします。 『ジェノサイド』と都市伝説や宇宙人 僕はこの『ジェノサイド』を読んで、都市伝説で語られるような宇宙人や、AIと同化して進化した未来の人類など、そういったものを連想せずにはいられませんでした。 この作品の中で語られるのは、宇宙人やAIなどではありません。 しかしながら、それらに置き換えられるようなものでもあったのではないかと思うんです。 僕は関暁夫さんの都市伝説が大好きですので、その影響も少なからず受けているとは思うのですが。 笑 人類を超越した何か、 人智を超えた何かというものが実際に存在していて、『ジェノサイド』で語られたものはその一つの形ではないかと。 近年、トルコにある「ギョベクリ・テペ」という遺跡が注目されています。 画像出典:ja. wikipedia. org これは関暁夫さんの都市伝説でもやっていたのですが、この遺跡は四大文明より遥かに前、今から1万2千年も前のもので、これまでの定説を覆すと言われています。 宗教が生まれたとされる時期についての定説や、古代核戦争などなど…。 そして、そこに絶対的な「何か」の存在があったのではないかと。 インディジョーンズでいいますと「クリスタルスカルの王国」ですね。 と、少々話が逸れてしまいましたが、僕は今回『ジェノサイド』を読みまして、そういったことまでも考えてしまいました。 小説で登場した人類を超越した存在も、ギョベクリ・テペや宇宙人と同様、その可能性の一つではないかと。 そんなふうに読みますと、さらに『ジェノサイド』を楽しく読める気もします。 笑 高野和明さんの新作に期待 僕は高野和明さんの作品を、まだ2作しか読んだことがありません。 一つは前述しました『13階段』。 これも面白かったです。 そしてもう一つが、今回の『ジェノサイド』です。 これだけ凄い作品を書く作家さんですので、是非他のものも全部読んでみたい!と思い、現在文庫になっているものをチェックしてみたのですが、意外と少ないんです。 Wikipediaに載っていたものを一覧にさせて頂きますと、以下になります。 (2001年)• (2002年)• (2003年)• (2004年)• (2005年)• (2007年)• (2011年) 以上になります。 他にもアンソロジーで数作品出されていますが、意外と少ないです。 とりあえず片っ端から読んでみようと思っているのですが、気になるのは新作についてです。 2011年の『ジェノサイド』以降、2018年現在も新作を出されていないんです。 ですので一瞬、亡くなられているのでは?なんて思ってしまって、wikipediaを確認しちゃったりもしました。 結果、そんなことはなく一安心でしたが。 笑 ではもしかして作家活動を休止されているのかな?とも思ったのですが、その辺りは全くわかりません。 作家さんのペースや事情もあるでしょうし、そこは気長に待とうと思います。 『ジェノサイド』が本当に胸躍る作品だったので、新作を楽しみにしています。 高野和明さんの『ジェノサイド』。 超、超、超おすすめです!!.

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ジェノサイド 高野和明 あらすじ・感想

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わたしはめちゃくちゃ面白く読みましたよ。 ホラーではないですが、SF、サスペンス・ミステリーですかね。 命を賭けたタイムリミットがあるのでドキドキ感が凄く、少しづつ明らかになる事実に驚愕しつつぐいぐいと読める作品だとおもいます。 どんな感じの面白さかを簡単にいうと、米国政府から指示された秘密任務を遂行する男のパート、この任務が一体どんな目的なのか遂行できるのかがサスペンス感とアクション満載で面白い。 そして日本のパートでは、死んだ父からの謎のメールを受けた大学院生が、命を賭けて新薬を開発するのですが、これがまた謎もタイムリミットもありドキドキです。 そこに米国政府の思惑や軍事の裏側が絡んできます。 自らの命を賭けて戦う男たちの姿が感動的だし、残酷なコンゴの現実も描かれていて読みごたえありますよ。 ストーリー展開は王道的なので、SFの名作をたくさん読んでる方にとってはわかりませんが、誰が読んでも楽しめるかなとおもいます。 難しい言葉はたくさん出てきます。 進化論や創薬に関する部分ですね。 でもこのあたりは、ストーリーにリアリティを持たせるためのものでもあって、細かく理解できなくても話は楽しめます。 薬を開発していく過程なんかはちんぷんかんぷんでしたが 笑 、そのへんは「へえ~」と読んでれば大丈夫でした 笑 下の方の言うとおり、文章力や構成といった部分は文句なしに面白いのですが…… 問題点がいくつかあり、そこに目がつく人は純粋に楽しめません。 まず、作劇上の問題として主人公の存在意義が殆どないということ。 終盤のどんでん返しは秀逸だったんですが、それまで隠されていたあるものの存在によって、主人公がさんざんやってきた苦労の必要性がほぼゼロになってしまいます。 まあしれっと流されていますが。 さらに物語の途中から「非常に頭の良い人物」が現れますが、その人物が実際に立てた作戦がお粗末極まりない代物です。 リスク満載の作戦によって冒険小説としては盛り上がりますが、その人物の頭の良さに関するリアリティはがた落ちでした。 第2の問題点は現実に存在するテーマを扱っていながら現実に即していないこと。 この本のメインテーマとしては「ジェノサイド」「進化」あたりで、サブテーマとしては「創薬」といったところです。 それぞれのテーマに関して「難しい言葉」が多少使われていますが、その内容は間違っている部分がかなりあります。 ジェノサイドについては刺激的な描写がありますが、表面的な現象だけで殆ど掘り下げもせず、なんだか薄っぺらい印象でした。 進化については根本的に「進化」という概念を勘違いしていて、なんだか「ポケモンの進化(生物学的には変態)」を進化だと言い張る小学生を見ている気分でした。 創薬の部分についても、アロステリック調節というホットな話題を出したのは「おおっ」と思いましたが、物語中での使われ方を見ると……。 医療周りの描写についても、実際の医療従事者から間違っている箇所を何個か指摘されていました。 政治の描写に関してはアメリカのネオコン=新保守主義派閥を分かりやすい悪役に単純化しすぎて、政治に詳しい人がマジギレしていました。 確かに、本3冊どころか10冊は書けるだけのテーマの濃さですが、掘り下げが浅すぎて10冊の前書きを集めてきましたレベルでしかないと思います。 各関係者への取材をもっと綿密に行っていればもう少しテーマに深みが出たのかもしれませんが…… またネット上の書評などを見て分かる通り、この小説を読んで現実に存在する問題を考え始めた人も多いようですが、この小説は冒険小説への肉付けのためにテーマの現実の内実をフィクションに改変というか改悪しているので、議論の導入として読むのは、偏見を多分に含むという意味で悪書だと思います。 第三の問題点は人種差別的描写があるということです。 まあ差別といっても、特定の人種をこき下ろす描写ではなく、逆に賛美するような描写です。 この本の「ジェノサイド」というテーマの内には「現在の人類は皆潜在的な残虐性を持っている」という作者の述べる根拠があり、様々な人種の残虐性の例が並べられる中、その人種の残虐性だけ不自然に無視されています。 (他にもなぜか共産主義勢力の虐殺行為なども無視されていますが……) 個人的にはこれがこの物語の致命的な欠点だと思います。 その人種に属するキャラクターに関しては物語に唐突に出てきて、その人種のいいところが次々と長文で述べられたりしていて、物語の流れとして必要性がないどころかかなり不自然な描写になっています。 実際、其のところに引っ掛かる人は多いです。 巻末の参考図書を見て推測する限り、物語を創る途中でそのような本を読んで「かぶれた」のかと勘繰ってしまいます。 とまあ問題点をあげてきましたが、そういう問題点に目が行かない限り、エンターテイメントとしては最上級に面白いのです。 長所が非常に大きい代わりに、気付く人は気付く短所も非常に大きい、玉にキズのある名作と言えます。 amazon等での評価が二分されているのも納得の出来です。

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高野和明「ジェノサイド」は傑作?それとも駄作?

ジェノサイド 小説

ジェノサイドの書評 一言で表すと、 世界規模の壮大なSF小説です。 物語は日本・アメリカ・コンゴの三か国で同時進行で進んでいきます。 初めは、それぞれの国で描かれるストーリーのテイストも異なり、全く違うテイストの小説を同時並行で読んでいるような気分になります。 それらの物語は中盤から徐々に絡み合いはじめ、やがて1つのストーリーに収束します。 この物語構成が非常に秀逸であると感じました。 個人的には、この本の主テーマは 「 人とはどのような存在か?」にあると考えています。 それに対する光の当て方も巧妙で、様々な方向・角度から人という存在について深堀りしています。 以上のことから、高野和明の「 ジェノサイド」は良書と言えるでしょう。 ジェノサイドから学べる事 人や世界の実態とその捉え方について 先ほども説明したように、この本では「 人とはどのような存在か?」について様々な角度から考察されています。 リアリティーのある表現を通して、 人をダメにするのも人だし、人を救うのも人であるというのを教えてくれます。 終盤の一節に次のような文があります。 今から自分は、地球にかえるのだ。 すべての生命を育んでいる、母なる星の上へ。 人々が愛し合い、憎み合い、善と悪の狭間で揺れ続けている、あの灰色の世界へ。 「ジェノサイド」下巻 371ページより 人を善と楽観的に捉えるでもなく、人を悪と悲観的に捉えるわけでもない点が良いですよね。 また、灰色の世界は、白(=善)と黒(=悪)の混ざり合った様子を意味しているのも、想像を膨らませやすい表現だと思います。 ただ、個人的にはもう少しポジティブでもよいのかな?とも思いました。 例えば、mr. Oh Baby 通り雨が上がったら 鼻歌でも歌って歩こう この醜くも美しい世界で 引用:mr. と言った具合に、「 人と世界の実態とその捉え方」とついて思考を巡らせるきっかけになってくれる良書だと思います。 科学の面白さと危険性 作中では、主人公の古賀研人とその相棒の李正勲が難病の薬剤開発のシーンがあります。 その過程で、 科学の面白さと危険性に触れています。 人間は、未知のものを発見したり、新しいものを生み出すことに喜びを感じます。 それは、知的欲求と呼ばれるもので、この欲求こそが人類を発展させてきました。 この本を読むと、その 知的好奇心が満たされた時の感覚を疑似体験することが出来ます。 ですので、将来的に研究室に入る可能性の高い理系大学生の人は一度読んでみても良いかもしれません。 また、この本では科学の負の側面についても説明しています。 以下の文は、原爆開発にかかわった科学者の心理を主人公が推し量っているシーンですが、本当にその通りだと思いました。 アインシュタインの予言が現実化することに、そして人類がそれまで手にしたことのない莫大なエネルギーに興奮していたのではないか?未知への挑戦がもたらす陶酔感は、人類社会にとって諸刃の剣だ。 「ジェノサイド」下巻 334ページより 以上のことから分かるように、この本を通じて 科学の面白さと危険性についても学ぶことができます。

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