艦 これ ss 提督 嫌 われ。 【加賀・艦これSS】提督「好嫌度CL?」

【阿武隈SS】霞「あーもう、バカばっかり!」【艦これ】

艦 これ ss 提督 嫌 われ

SS投稿掲示板 その他SS投稿掲示板 No. かたや戦艦ル級三隻、軽巡洋艦ト級、ヘ級、軽空母ヌ級で構成された艦隊で、戦っているのは装甲空母幻龍、装甲空母米賀、戦艦タ級、重雷装巡洋艦チ級、駆逐艦ロ級、二級の新海生艦艦隊である。 新たに黎明艦隊に加わった幻龍と米賀の戦闘能力を見る為の試験の最中であった。 幻龍、米賀が発艦させた艦攻天山怪、艦爆彗星怪による雷撃と爆撃により、敵艦隊のル級一隻が撃沈、一隻が中破、ヘ級、ヌ級も撃沈判定を受けており、戦況は圧倒的に新海生艦側が有利だ。 味方戦艦タ級の砲撃が残る的ト級にも命中し、撃沈判定を下して幻龍達の勝利がほぼ確定した戦況になった時、敵艦隊が最後の意地を見せる。 敵戦艦ル級の放った16inch砲弾が、幻龍の肩にある装甲を施した飛行看板に命中し中破相当の被害を与えたのである。 装甲空母は軽空母や正規空母と異なり、中破に陥っても艦載機を発艦させられるのが特徴だが、幻龍は新しい攻撃隊による反撃を選択しなかった。 のっぺりとした白い仮面で半顔を隠す装甲空母艦娘は、被弾と同時に走った痛みに青白い顔を顰め、闇を圧縮して嵌めこんだ様に黒く暗い瞳でル級を見る。 幻龍がル級を睨みつけた瞬間を境に、敵艦隊のみならず幻龍の味方の艦隊である米賀達も背骨を剃刀の刃で擦られているかのような、悲鳴を上げる事も出来ない悪寒に襲われて思わず幻龍を見た。 「私を、傷つけた。 傷つけるものは……敵。 私の、幻龍の敵。 敵は沈める。 沈める、沈める沈める沈める…………しず、め、る」 まずい、やばい、危険だ、これらのワードが米賀達の脳裏にどっとあふれ出し、この装甲空母を今すぐ止めなければ、決定的な何かが起きてしまうと言う具体性の無い危険を理解していた。 それは幻龍の視線を一身に集めるル級も同様で、あの世とこの世の境に立っているかのように、幻龍の全身から発せられるおぞましい妖気を感じ取り、元から青白い顔立ちが白蝋と変わらぬ色にまで変わってゆく。 「敵は沈める。 敵は沈め……シズメ」 罪人を苛む地獄に吹く風は斯くの如きではないかと、耳にした者が思わずにはいられない冷たくおぞましい響きが幻龍の口から零れ出る。 それは目に見えない力となって戦場となった海域へと拡散し、何かで満たして行く。 それはこの場に居る誰しもに、平等に降り注ぐ災いの形を取るかと思われた。 「待て、幻龍。 これは演習だ。 ル級達は敵では無い」 艤装に内蔵された通信機から聞こえて来たン級の声に、幻龍の全身から無色の陽炎の如く立ち昇る妖気が揺らぎ、少しずつ放出が収まって行った。 「提……督……」 「落ちつけ。 お前が本当に沈めるべき敵は、彼女達では無い。 おれの言っている事が分かるな?」 「提督…………分かり、ました」 蚊の鳴く様なか細い声で答える幻龍に、無線の向こうでン級はどこか安堵した吐息を零してから演習の終わりを通達した。 「演習はこれで終わりだ。 両艦隊ともよく戦ってくれた。 これからも日ごろの鍛錬を忘れずにおくように。 燃料と弾薬の補充が済んだら、汗を流すなり食堂に行くなりして各艦疲れを癒せ」 演習用の弾頭を積んだ新海生艦十二隻が、近くで演習の模様をモニタリングしていたン級からの指示に従ってバシー島沖海域にある廃港拠点へと帰投の準備を始める。 ン級も主機を動かして帰投する艦隊に合流し、各艦に異常が見受けられないか気を使いながら速度を合わせる。 すると被弾も無く無事に演習を終えて、ゆくゆくは第一線を張れる素質を存分に見せた米賀が白波を立てながらン級へと近づいてきた。 艦体の材料に真面目という素材を混ぜたに違いないと、早くも黎明艦隊の中で評判の米賀は、表情筋が動く事を知らないかのように凛と引き締めた表情しか浮かべない。 「御館様」 これまで配下の艦で米賀ほど生真面目で忠義を前面に押し出す者はいなかったから、正直に言ってン級は米賀との距離の取り方にまだ戸惑っている所がある。 それでも米賀の言わんとしている事は、簡単に察せられた。 先程の演習の、より厳密に言えば幻龍の事に違いあるまい。 「幻龍の事か?」 「は。 拙者が口出しするのは過ぎたることやも知れませぬが、あの時の幻龍殿の様子は尋常ではありませんでした。 半ば深海棲艦たるこの身に怖気が走り申した」 鬼級に至ったン級の斬艦刀による浄化で姿を現した幻龍と米賀は、艦娘としての姿を主体にしながら艤装や衣服、肉体の一部に深海棲艦としての特徴を残している。 艦娘が七、深海棲艦が三と言った割合だろうか。 この事からン級は彼女らの事を艦娘怪と呼称していた。 「それはおれにも感じられた。 まだお前達艦娘怪の事は分からん事が多いが、幻龍固有の特異性と考えた方がいいかもしれん。 艦隊に組み込んでの運用には、細心の注意が必要となるだろう」 「御館様のお考えの通りに成されるのが最良の道かと。 幸い幻龍殿は御館様のご命令には従われる様子。 まったく制御出来ていないわけではありません」 米賀の言う通り事もまた事実である。 幸い幻龍は今の所ン級の命令に従う素振りを見せている。 実際の戦場で先程幻龍が見せたおぞましいナニカがどう働くかは不明だが、早々に検証しなければならなくなるだろう。 正規空母以上の継戦能力を有する装甲空母の加入は、非常に喜ばしい事ではあったが、兵器として運用するにあたり信頼性を著しく損なう不安の爆弾を抱えているとなると、話は変わって来る。 「米賀」 「はっ」 「もしもの時は自分がなどと余計な事を考えるなよ。 幻龍とておれにとっては大切な配下である事に変わりない。 あいつも使いこなして見せよう」 ン級は米賀がその過剰なまでの忠誠心から、幻龍が黎明艦隊ひいてはン級の害となると言うのならば、自ら手を汚す覚悟を固めている事を見抜いていた。 米賀はかすかに肩を揺らして心中の動揺を露わしたが、それだけで表情を変える事はせず、ン級に対して小さく頭を垂れる。 「御館様は拙者の浅はかな考えなどお見通しでございましたか。 しかしこの米賀、御館様の為とあれば同胞の血で己が手を汚す事を厭いませぬ」 米賀は少なくとも幻龍の事を同胞と認めてはいるらしい。 それだけにいざとならば自分が幻龍を手に掛ける、という米賀の覚悟は悲壮と言う他ない。 「お前の忠義はありがたく受け取ろう。 だがその覚悟を実際に試す機会は巡っては来ないだろう。 そうする事が艦隊の提督であるこのおれの役目だ。 おれが提督としての役目を果たせなければ、お前に手を汚させてしまう事になると肝に銘じておく」 「やはり、御館様は拙者が主君と仰ぐに値する大器の方でございます」 「あまり褒めるな。 お前はおれを賛美し過ぎだ」 「拙者にとっては正当な評価でございます」 盲信に近い忠義を寄せて来る米賀の事を、ン級はこれまでにないタイプと言う事もあって、幻龍ほではないのだが実はほんのちょっぴり持てあましていた。 無論米賀はン級のそんな胸の内を知る筈も無かった。 バシー島沖廃港拠点に帰投したン級達だが、拠点はここ数日騒がしさに飲み込まれていた。 というのもン級が今後の人類社会との付き合い方を考慮し、日本の勢力圏に近いバシー島沖海域よりも、オーストラリアやマレーシア、インドネシア、フィリピンなどに近い東部オリョール海域に拠点を移す事を決定したからである。 その為に、廃港拠点に蓄えていた資材や食料品、生活雑貨の輸送に各艦が追われている最中なのだ。 ワ級達やオーストラリア政府など各国から買い付けて来た廃棄寸前の旧型船や、ドラム缶を用いてほとんど休まず輸送任務に従事している配下の艦達に挨拶を交わし、執務室を目指していると幻龍達と共に姿を現した三隻目の艦娘怪が顔を覗かせた。 青く晴れ渡った空の下を輸送品の目録を片手に歩み寄って来るのは、工作艦明石怪。 鎮守府などではアイテム屋娘などと呼ばれる艦娘で、戦場に立つ為の艤装調整が遅れて、近年になって海に出るようになっている。 斬艦刀による浄化で出現したと言う事は、前線に出るようになってからかあるいはそれ以前に深海棲艦の犠牲になった明石が居たと言う事でもある。 明石はクレーンや最新の工作機械などの施設を艤装として持つ工作艦娘で、腰や鼠蹊部が見えるように左右の布地が切り取られたミニの袴を履き、両足は太腿の外側までを守る装甲を着けていた。 紫がかった赤色の髪を長く伸ばしていて、揉み上げの部分の髪は頬に掛る程度の長さで紐を使って縛り、ざっくりと毛先を切りそろえている。 上半身には灰色のインナーの上に半袖のセーラー服を重ね着していた。 その衣服や修理施設の艤装の一部に、深海棲艦特有の口や歯が生えていて、明石自身も肌が異様に青白く変わっている。 入渠施設を用いずとも泊地での修理が可能となる上に、各種の工作活動が可能となる明石の存在は、黎明艦隊にとって極めて有用なものであった。 流石はかつてアメリカ軍に重要攻撃目標と定められた艦だけはある。 「提督、お帰りなさい」 「ああ、ただいま。 早速で悪いが、明石、現在の各資材の輸送状況はどうなっている?」 「それならこちらの方にまとめておきました。 どうぞ」 ああ、と一つ返事をしてン級は明石から紙媒体の資料を受け取る。 要点をよくまとめられた書類に目を通し、次いで明石自身の口からも報告を受ける。 「燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトそれぞれ八割が輸送を終えています。 オリョール海側の拠点もオーストラリア政府からの協力もあって、順調に整備が進んでいます。 装備開発と建造の為の妖精派遣についてはまだ色よい返事は来ていませんが、このままの関係が続いて行けば時間の問題でしょう。 持ちつ持たれつという関係をお互いよく理解していますしね」 「そうか、大きな問題は無いと考えてよさそうだな。 しかし……」 「? なんでしょうか、提督」 基本的に脳筋である新海生艦各艦に対し、元艦娘である明石はこういった細々とした計算や情報の管理などがきちんと出来ていて、スケジュール管理も出来ている。 これまで事務仕事のサポートが出来る艦が欲しいと願って止まなかったン級にとっては、まさしく求める艦娘であった。 ヨルは元戦艦娘の金剛であったが、残念ながら脳味噌の方は今も脳筋状態である為、集中力が持続しないし細かな計算は不向きと言う他ない。 幻龍はコミュニケーション面にいささかの問題があり、米賀は融通が利かない性格の見本のような娘だが秘書艦の役割を果たす事は出来るのだが、ン級の傍から離れようとしない為に、かえってン級の気が休まらない事態に陥りがちだった。 「いや、きちんと計算のできる艦娘がこれほどありがたいとは思わなくてな」 「ええ? でもウミさんやヨルさん達ならこれ位は出来るのでは?」 「足し算と引き算は出来るが、掛け算と割り算が怪しくてな。 分数の計算も厳しい。 ヨルは元金剛だからと試してみたが、どうもオツムの方は未だに深海棲艦のままらしい。 とてもではないが秘書艦の役割は任せられん。 姫級になればあるいはと期待しているが、どうなるか分からんよ」 「軌道計算とか一体どうしているのでしょう?」 「勘だろう」 「勘ですか……」 「勘だよ」 ン級の声はどこか諦めを含んでいる様に明石の耳には聞こえた。 これ以上、追求しなかったのは明石のせめてもの優しさであった。 艦隊の規模が膨れ上がるのに従い、情報や資源管理の出来る知性のある配下が欲しい所だが、ン級はこの点に関してはどうにも恵まれぬ傾向にあり、その証拠の一つがドタドタと音を立てながらン級に駆け寄ってきた。 「司令官、お帰りなさい!」 先頭を走っていた白と金の入り混じる髪を首筋の辺りで二つに括り、黒に染まったセーラー服を着た少女がン級に帰投の挨拶をするのを皮切りに、後に続いていた五隻の小柄な少女達も口々に挨拶を口にする。 全員が同じデザインのセーラー服を纏い、三日月や半月、満月をデフォルメしたアクセサリーを身に着けていた。 「ああ、ただいま戻った。 お前達、きちんと明石達の手伝いは出来ているか?」 愛娘達に対するのよりは、少しだけ硬い声でン級は少女達に声を駆ける。 あくまで提督としての立場から発言しているからだろう。 それでも十分に甘いが。 「これからみんなでドラム缶輸送するの~」 どことなく舌足らずな喋り方をするのは、白色と茶色の混じる髪を後頭部で結わえた少女だった。 他にも緑や白一色、黒の混じる髪のよく似た顔つきの少女達がいる。 「そうか、お前達は足が速くて助かる。 道中の危険は少ないとは思うが気を抜かんようにな」 既に南西諸島海域は沖ノ鳥島海域を除いた全海域を黎明艦隊がほぼ制圧下に置いており、とりわけ安全な航路を有する海域となっている。 「任せて貰おう。 我々を駆逐艦と侮る連中は返り討ちにして見せる」 そう言ったのは緑色の髪を持った少女である。 いささか肩に力が入り過ぎと見えなくもないが、米賀や長門に通じる凛とした雰囲気を持っている。 「我々とて小さくともすでに鬼に至っている。 有象無象など敵では無い」 緑色の髪の少女に続いて、白一色の髪の少女が確たる自身と共に断言する。 雰囲気も緑髪の少女によく似ている。 「司令官のご期待に応えて見せますね」 「まあ、だるくないくらいに頑張りま~っす」 生真面目な返答をしたのはアホ毛の飛び出た黒髪の少女で、続いて気だるそうに返事をしたのは眼鏡を掛けた茶髪の少女だった。 厳格な軍組織だったら叱責では済みそうにない返事も交じっていたが、紅蓮隊めいた組織である黎明艦隊では、今の所そこまで規律は厳しくない。 改善の余地ありとン級は考えているのだが、それを成す為の人材と下地がいまだ整っていないのだ。 「そうか。 だが気を付けて行けよ」 いささか心配症気味なン級に見送られて、六隻の少女達は他のワ級達とその護衛艦隊と合流し、一路東部オリョール海で構築中の拠点を目指して海上を進み始めて行った。 その背中を見送る中、ン級はつくづく自分を含めて艦娘や深海棲艦とはでたらめだと思わざるを得なかった。 「提督の刀でこの姿になった私が言うのもなんですけど、ほんと、深海棲艦って不思議ですね」 明石も自分にそれを言う資格があるのか怪しいと思ってはいるようだが、つい口にしたようだった。 「ああ。 まさかツキが改造を終えた途端六隻に分離するなど予想もしていなかった」 たった今、ン級に手を振りながら行ってきますと出航していった六隻の少女達は、かつて戦艦ル級ツキの名でン級に呼ばれていたのである。 オクツキ率いる深海棲艦の大艦隊を撃退後、多くの艦が改造を経て更なる力を手に入れる中で、ツキはヨル同様改造に際し異様なまでに時間が掛り、同期であるホシやン級が身を案じる中、なんとまあ先程の少女達へとなったのだ。 少女達はそれぞれが睦月型駆逐艦棲鬼サツキ、フミヅキ、ナガツキ、キクヅキ、ミカヅキ、モチヅキを名乗った。 ン級が純粋な深海棲艦だと判断していたツキは、どうやらかつて同じ戦闘で一度に轟沈した睦月型の六隻が一隻の戦艦となって堕ちた姿であったらしく、ン級が元艦娘と看破出来なかったのは、この特殊な誕生の仕方をしたせいだろうか。 モチヅキ達はツキであった頃の記憶は共有しているらしく、艦隊入りしてからの事はよく憶えているし、特に黎明艦隊に同時期に加入したホシとは六隻全員仲が良い。 「これからもああいうのが増えるのか?」 しみじみと呟くン級に、明石は困った顔を拵えた。 自分もサツキ達もン級の手によって今の姿になったのであるから、原因はむしろン級自身にある。 「さあ? それはむしろ提督次第のような気もしますけれど」 「戦力になるのは間違いないんだが、なんというか心労がな」 とはいえ不足気味の軽巡洋艦や駆逐艦が、鬼級の駆逐艦六隻の加入によって大幅に強化されたのは間違いない。 いずれ復讐に燃えるオクツキとの決着の日の為に、艦だけでなく装備や設備、各国との協力体制を整える事がン級の急務であった。 * 日本国に所属するショートランド泊地に勤務する上代(かみしろ)提督は、元は民間の大学に勤める研究員だったという経歴の主である。 年齢はようやく三十に届くと言う所で、中肉中背の標準的な体格に普通以上美形未満の温和な顔立ちの青年だ。 まだ提督としての経歴は浅く、艦隊に所属する艦娘は駆逐艦が大多数を占めていて、戦艦娘や空母艦娘は一隻もいない。 上代提督は泊地内に宛がわれた執務室で、秘書艦の漣(さざなみ)を傍らに控えさせて艦娘からのある報告を待っていた。 元民間人ではあるものの艦娘達が命懸けで戦っている日々を目の辺りにし、必死に提督業の勉学に励む姿勢から、艦娘達からの上代に対する評価は悪くない。 そんな上代だが、今はひどく緊張した様子で顔には脂汗が滲みだしている。 普段は甲斐甲斐しく上代のサポートをする漣自身も緊張しているようで、これから彼らに齎される情報がそれだけ重要なものなのだろう。 ほどなくして執務室の扉の向こうから、複数の足音が聞こえてきて上代と漣の緊張は頂点を極めて、ごくりと大きな音を立てて生唾を飲む。 規則正しくノックがされて、出撃していた第一艦隊旗艦軽巡洋艦娘の由良が他の五隻を率いて入室する。 由良は薄紫色の豊かな髪を一つにまとめ、黒いリボンで格子状に結んでいる。 おおよそ十代後半の女子高生位の外見だろうか。 軽巡洋艦娘の中では平均的な能力の持ち主だが、対潜水艦戦においては高い能力を発揮する。 「第一艦隊旗艦由良、帰投しました。 提督」 「ああ、お帰りなさい、由良君。 君達も」 「リリ!」 普段の出撃より倍も疲れた印象を受ける由良の後ろには、赤いスカーフを巻いたリ級改、同じく青いスカーフを巻いた軽空母ヌ級エリート、黄色いスカーフの重雷装巡洋艦チ級フラッグシップ、緑色のスカーフの軽巡洋艦ト級エリート、黒いスカーフの潜水艦カ級フラッグシップが続いている。 赤いスカーフを巻いているリ級改は、オクツキ艦隊との戦いでヲ級フラッグシップをジャーマンスープレックスで仕留めたリ級フラッグシップで、以下の艦は彼女が率いる艦隊だ。 あの戦いを経て全身に黄金のオーラを、そして左眼に青く燃える炎を宿す改へと至ったリ級が、ン級に我儘を言って艦隊各艦にスカーフを支給してもらったのだ。 それぞれ改造を経て新たな力を得た艦達からの評判は微妙だが、この五隻は個性豊かな艦としてン級に記憶されているし、またこの事から元艦娘と判断されて運用面で重宝されていたりする。 「リ、リリ、リ!」 ふんす、と荒々しい鼻息を零しながら、リ級は自分達がどのように戦いそして自分がどれだけ活躍して敵深海棲艦を撃沈したかと自慢げに話す。 「ヌッ!」 そのリ級改の頭をヌ級が窘めるように小突いた。 リ級がMVPを取ったのは事実ではあるが、いささか過剰に戦果報告をしていたからだ。 リ級は不満そうに次席であるヌ級を睨むが、ヌ級以下チ級、ト級、カ級勢ぞろいで自分を睨んでいる事に気付き、自分の形勢不利を悟ってしゅんと縮こまる。 「ヌ、ヌヌ」 上代はヌ級がなにやら手振りを交え、自分に視線を向けて言葉を発している事からおそらく謝罪しているのだろうと予測した。 ン級と異なり上代は彼女らの言語を理解する事は出来ないのだが、普段ン級と接しているリ級やヌ級達は、自分達の言葉が人間には理解できないと言う事を頭で分かっていても、なかなか実践出来ずにいる。 「えっと、リ級君の事を謝罪しているのかな?」 上代が秘書艦の漣を見れば、時々スラングを口にするピンク髪の少女は、ひどく戸惑った顔で一応頷いてくれた。 「はい、その通り見たいです……。 あはは」 「そうか。 うん、良識があって良い事だ、はは。 ええっとでは戦果報告の詳細は後でいいから、補給と被弾した艦は入渠するのを忘れないように」 「はい、分かりました。 それではすぐに報告書のご用意をしますね、提督」 「リ」 「ヌ」 「チ」 「ト」 「カ」 陸上での行動に適さないカ級はひょいっとリ級に抱えあげられて、由良と共に執務室を後にする。 新海生艦の五隻が部屋から居なくなってから、上代は大きく息を吐いて脱力して椅子の背もたれに体重を預ける。 漣もよほど緊張していたのか、上代の傍らではあっと肩を動かして緊張の糸を緩めた。 「とりあえず、ご主人様と旗艦の指示には従ってくれるみたいですね」 「ああ、幸いだったよ。 この任務が下された時にはどうなることかと思ったけれど、由良君が無事に帰って来てくれてよかった。 念の為、第二艦隊を近海に配備しておいたとはいえ、気が気じゃなかった」 「だったら五隻まとめてではなくて分散させれば良かったのでは? と言いたい所ですが、それも五隻での運用を指示されていてはどうしようもありませんね」 「由良君には悪い事をしたと思っているよ。 ただうちの艦隊では由良君がもっとも頼りになる」 「それは由良さん本人に言ってあげてください。 ご主人様にそう言ってもらえれば、とても喜びますよ」 秘書艦である自分の前でそれを言っちゃうかー、と漣は内心で思ったがそれを表に出す事だけは防げた。 また後でクソスレでも建ててこの嫌な気分を晴らす事にしよう。 「そうするよ。 それにしても新海生艦か。 噂では聞いていたけれど、まさかそれを確かめるのをうちの艦隊でやる羽目になるとはなあ」 漣の心中は知らず、上代は先日下された任務について思い返していた。 それは新海生艦との今後の共同作戦の実施を想定し、各鎮守府の一部に新海生艦から小規模な艦隊が派遣され、試験的に各提督の指揮下に入ると言うものだった。 この新海生艦派遣にあたり、日本政府側からは海外に建設された鎮守府を指定されて艦隊が派遣されている。 またン級側がつけた注文は、当然ながら派遣した各艦の身の安全の保証。 また戦場に投入する場合には、艦娘と同列の扱いをする事。 鎮守府に派遣している間に消費する各資材は鎮守府側が負担する事などである。 派遣日数の延長に関しては希望と条件次第で検討し、また派遣する新海生艦からは鬼級やフタバやアカネなどの娘達、ヨルやサツキ達のようなはっきりと元艦娘と分かる者、そして米賀、幻龍など実在しなかったはずの艦娘怪も除外されている。 いずれは露見する事とはいえ、ン級からすればこれらの情報を知られるのは遅ければ遅い方がいい。 戦力派遣の条約を締結していない日本政府と新海生艦は、相互の戦力把握と深海棲艦との長期的な戦闘と世界への発言力強化の利害一致から、今回の艦隊派遣を行っている。 日本政府側が新海生艦を預けた提督は主に二種に分かれる。 すなわち新海生艦が不穏な行動をとっても即座に対応できる、錬度の高い艦娘を擁する歴戦の提督。 そしてもう一つが、仮に失ったとしてもさほどの痛手にはならない、代替の容易な提督である。 もちろん、ン級は派遣される艦に鎮守府側の艦娘達から仕掛けられない限り、攻撃を加える事を固く禁じているし、万が一の事態が起きないようにと配慮してはいるが、最悪の事態を想定して対策を講じるのは双方にとって当たり前の話だろう。 ン級の方も各鎮守府や基地に派遣された配下の艦が、いざ基地などから脱出する際に迅速に動けるよう、潜水艦隊や偵察機を飛ばして情報収集に余念が無い。 これには新海生艦を受け入れたのが日本国外の基地などであった事は、ン級にとって幸いであった。 日本側とて提督達に一切の報酬なしで任務を下したわけではないし、あくまで任務を受けるかどうかは提督達の判断に委ねられる。 まあ、なにかしらの圧力はかかったかもしれないが。 「供給される資材の増加と装備の支給につられて受け入れてみたけれど、精神的な疲労はかなりのものだなあ」 「でも改に至ったリ級とか軽空母とはいえ航空戦力が手に入ったのは、大助かりですよ。 供給される資材も増えたから、建造や開発に回せる余裕も少しずつ出来ていますし」 「そうだね。 ただ彼女らを運用するのに慣れるまでは、しばらく心臓に悪い日々を過ごす事になりそうだ。 特に彼女らと一緒に海に出る君達には、負担を強いることになる」 上代はそう言って、すまなそうに漣に視線を向ける。 こういった所が、実に元民間人の提督らしい。 「漣達は艦娘ですから。 ご主人様の命令に従うまでです」 上代と漣が交わしたような会話が、各地の鎮守府でも交わされていて、敵と対峙した時には恐ろしかった深海棲艦の戦闘能力を、多くの提督と艦娘達が知る事となる。 ただし派遣された艦達の新海生艦という呼称が単なる名前と言うだけで、能力は深海棲艦と変わらないと思っていたのだが、実際にはほぼすべての艦が従来の深海棲艦を上回る能力を有している事に気付くのは、もう少し後の事である。 日本側はオクツキとの戦闘で藍染、安室提督達が目撃した新海生艦の戦闘能力についての報告が挙げられていたが、それはン級直轄のいわば精鋭部隊に関するものとして受け止められていた事と、サンプルが少なかったことにより新海生艦という種単位で能力が高い事は小さな可能性としてしか想定されていなかったので、寝耳に水と言って良かった。 ン級は手持ちの戦力を各国に派遣するのと引き換えに得られた資材や装備、また建造と開発を可能とする為の施設建設を推し進めていた。 単純に艦としての能力を向上させるだけでなく、装備の充実に本腰を入れて取りかかり始めていたのである。 これはオクツキに撃沈寸前の傷を負わせた事と、深海棲艦の戦力を大きく削った事で得られた時間を使い効率よく戦力を増強させる事を目的としていた。 そして敵はオクツキばかりでは無い。 その先に待つ深海棲艦の意思。 さらには場合によっては艦娘とも雌雄を決しなければならなくなる。 深海棲艦との戦いとその戦いが終わった後の事を見据えて、ン級は布石と試金石を打ち始めているのだった。 <続> まだ五月ではありませんが、投稿します。 というわけでイベントで実装されたこともあり、三隻目は明石となりました。 ご意見ありがとうございました。 イベントの方はE-4をクリアしました。 燃料15K、弾薬12K、鋼材11K、ボーキ1K、バケツ70を消費し、長門、谷風、三隈ゲットです。 卯月と初風と浜風はいまだに知らない子です。 港湾棲姫はぜひとも艦隊に組み込みたいものです。 ツキ達は純粋な深海棲艦という事でしたが、予定変更で元艦娘といたしました。 かつてどこかの提督が一度に失った皐月、長月、文月、三日月、望月、菊月達が融合したという設定です。 鬼に至り個々に分裂し、また再度融合も可能です。 もらうものさえもらえればル級でもタ級でもヲ級でも派遣しますぜ、ということをン級は始めました。 皆さんはいくらまでなら払えますか? 追記 戦艦や空母、ヨ級になったからといってン級に必ず操を捧げているわけではないです。 ごめんよ谷風。 浜風と間違えたんじゃよ。

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【艦これ】霞「あーもう、バカばっかり!」 : 艦隊これくしょん SS

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この嫌われ薬の効果が無くなるのは三ヶ月と長く、聞けば提督の行動次第では期間を延長させるつもりだと話し、提督は冷や汗をかいた。 大淀『中峰さん、落ち着いて聞いてください。 それは栄養ドリンクなんかじゃなく、親しい艦娘から嫌われる薬なんです。 どうやら、他所の鎮守府の提督が他の提督たちを蹴落とすため極秘に作っていて、それを大本営宛と偽って送ってきたんです』 きっかけは正也がうかつにも艦娘たちから嫌われる薬を飲んでしまい、艦娘達から邪険に扱われ困っていた。 そこへなぜか薬が効かなかったらしい艦娘、山城が事情を知って薬が切れるまでの間だけ彼の臨時秘書艦を勤める事になったのだ。 艦これssである男(提督の知り合い?)が惚れ薬と嫌われ薬を盛って提督が嫌われてケッコンしていた榛名と結婚しようとしたが途中で薬の効果が切れて、そっからヤンデレになる。 使い古されたネタですが、提督に心理的作用が起こったら?と考え創作しました。 はっきり言って、心に来ます。 精神的に来ます。 それでも良ければどうぞ。 注意!このssは、とあるssのパk・・オマージュです。 艦これssである男(提督の知り合い?)が惚れ薬と嫌われ薬を盛って提督が嫌われてケッコンしていた榛名と結婚しようとしたが途中で薬の効果が切れて、そっからヤンデレになる。 て、感じの内 容のssをピクシブで見た気がするの 提督「艦娘のみんなに嫌われてる」 キャンディアイランドのたぶん毒にも薬にもならないおしゃべ 艦これ のニュース、2chまとめ、攻略情報、画像、待ち受け、動画、壁紙、グッズ 、SS等 艦これに関する情報全般を紹介しています。 覚えている内容は長門が提督の腕を引きちぎる長門が雪風を轟沈させるです。 )が惚れ薬と嫌われ薬 電「え!?」 電「そ、そんな事、ないと思うのです!」 電「司令官さんは、誰に対しても分け隔てなく接してくれている 艦これss -艦娘・深海棲艦別まとめ-艦これssを艦娘・深海棲艦別にまとめています。 ss投稿速報なら誰でもすぐにssを書き始めることができます ログイン・ユーザ登録してssを書く! ss投稿速報. たーたんちぇっく. youtube 提督「艦娘のみんなに嫌われてる」 名探偵電(プラズマ) モバP「艦これ?なんだこれ?」 【艦これ】提督「着任一周年だしNEWソートしてみよう」 提督「朧駕籠」 雷「Love is over」 【艦これ】鎮守府大冒険 【艦これ】「私は深い海の底から貴方を想い続ける」 提督「艦娘のみんなに嫌われてる」 キャンディアイランドのたぶん毒にも薬にもならないおしゃべ 艦これ のニュース、2chまとめ、攻略情報、画像、待ち受け、動画、壁紙、グッズ 、SS等 艦これに関する情報全般を紹介しています。 【艦これss】提督「急に皆に嫌われた?」のまとめ 電「え!?」 電「そ、そんな事、ないと思うのです!」 電「司令官さんは、誰に対しても分け隔てなく接してくれている 艦これss -艦娘・深海棲艦別まとめ-艦これssを艦娘・深海棲艦別にまとめています。 タグ : 艦これ 追加: 上の方でもダンロンが~とか言ってた奴いたけどこれ系のネタ舞台装置が機会とか薬で違うだけでずっと昔からある王道ネタだよね それより前の2013年からアイマスの嫌われssが既 提督「また大破で帰還か、吹雪。 相変わらず戦果が芳しくないようだな」 吹雪「す、すみません。 相変わらず戦果が芳しくないようだな」 吹雪「す、すみません。 次は頑張ります! 【艦これ】提督嫌われすぎワロタwww まとめブログ [ もっと見る ] 艦これ終了する時に選んだ初期艦から一言「今までありがとうございます。 55 : wegNOFsl0 元提督「おかしなところがあるなら言ってもらいた 嫌われのssまとめ検索 ssまとめ速報には現在129件の嫌われのss 【艦これ】提督「俺は山風に嫌われているかもしれない」 306 2017年04月18日 15:35:01 10956 pv 0 ss宝庫はss専門のまとめサイトです。 オリジナルSS 版権SS 名作SS 良作SS おすすめSS いろいろあります。 【艦これ】デレデレ霞ちゃん SS宝庫 SSまとめサイト 【艦これ】浜風ってイマイチどんなキャラか分からない 【艦これ】目安箱さいかわは目出し帽 【艦これ】今回の秋刀魚任務って数集めたらそれ以上は意味ないんですか? 【艦これ】もしかして提督にウケそうな名前の飲食店を開いたら繁盛するかな? ssのアンテナサイト. このサイトは主にss速報vipをまとめているサイトのアンテナです。 姉妹サイト[。 このサイトについて 【艦これ】睦月「提督と結婚したい」 第六駆逐隊、慰安任務。 司令官さんを癒してあげるのです! 【艦これ】提督「駆逐艦とイチャイチャしたい」 【艦これ】提督「作戦が」棲姫「上手ク行カナイ」 投稿ナビゲーション.

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ヤンこれ、まとめました

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~1日目~ 提督「ごちそうさま。 いつも通りおいしいディナーだったよ。 」 大和「良かったです。 今日はもう執務も終了していますし、少し休まれますか?」 提督「そうしたい所だけど、書類をチェックするかな。 たしか、大本営からの荷物と指令書があったはずだけど。 」 大和「あの小包ですか。 分かりました。 持ってきますね。 」 俺は提督。 一応ここの泊地を預かっている。 規模が大きくなってきたので最近は多忙気味だが、ケッコンカッコカリをした大和や、他の多くの艦娘が支えてくれているおかげで何とかやっていけている。 大和「提督、持ってきました、どうぞ。 大和はちょっとおかたづけしてきますね。 」 提督「ありがとう大和。 書類に目を通したら、お互いちょっと休もう。 よって、大本営としては薬剤を配布することによってこれに対処することとした。 これを服用し、疲労回復、士気向上を図ることを厳命する。 ~発 大本営 ~ 提督「なるほどねえ、中身はドリンク剤か。 最近疲れ気味だったし早速飲むか。 」 カチッ…ゴクゴク 提督「う~ん。 苦いような、酸っぱいような、辛いような…不思議な味だな、これ。 」 ポイッ…ガタン ごみはきちんと捨てておく。 大和に怒られるからな。 提督「さて、残りの書類は…おっ、次回作戦の概要書か。 これは見ておかないといけないな。 」 …チッチッチッカチッ ポッポー! 提督「…おっと。 つい集中しすぎてしまった。 もうこんな時間か。 大和の様子でも見に行くか。 」 私室から出て見ると、執務室の明かりがついている。 きっと大和が使っているのだろう。 そう思ってドアに手をかけたその時、中から涙声が聞こえてきた。 大和「もう限界なんですっ!武蔵には分からないんですよ!あいつなんかと一緒にいないといけない辛さが!」 武蔵「まあ、私が着任した時にはケッコンカッコカリさせられていたからな。 もう少し早く着任できていればよかったんだが…クソッ!」 大和「この後だって…一緒に休憩しようって言われてて…なんで私ばっかりこんな目に合わないといけないのかしら…グスッ」 武蔵「安心しろ、大和。 何かあったときはすぐ助けに行くさ。 」 大和「絶対だからね、武蔵!お願いよ!」 …嘘だろ…大和がそんな風に思っていたなんて…いや、いい機会かもしれない。 俺は大和の悲しむ顔なんて見たくないんだ。 本気で嫌がられているならきちんと対処しなければ… 意を決して、ドアを開ける。 大和「提督。 」 大和が声をかけてくる。 嫌な相手に笑顔を見せるなんてつらいだろうに。 提督「…重要な書類があってな。 時間がかかってしまってすまなかった。 」 大和「いえ…お仕事お疲れさまでした。 では少しお休みしましょうか。 」 そう言われて、自分は泣きそうになった。 大和はストレスを発散せずにため込んでしまうタイプだ。 知っていたはずなのに、なんで気づいてやれなかったのだろう。 そんな悔しさからくる涙だった。 大和「提督…?どうかなさいましたか?」 提督「いや…何でもない。 」 武蔵「…何だ、提督よ。 」 提督「少し来てくれないか。 話しておきたいことがあるんだ。 」 武蔵「分かった。 」 大和「提督。 戻っていらっしゃったら、今度はお休みしましょうね。 提督は最近お疲れのようですし。 紅茶を淹れますのでリラックスしましょう。 」 提督「ありがとう、大和。 分かったよ、すぐ戻るから。 」 今度こそ限界だった。 自分は泣きながら執務室を出た。 武蔵「…提督よ。 どうしたのだ?どこか痛い場所でもあるのか?」 提督「いや…痛い場所は特にない。 」 武蔵「それならいいが…何かあったら相談しろよ。 お前に何かあったら大和に殺される。 私の姉は怖いからな。 ハハハ!特に貴様のこととなると見境がなくなって困る!」 提督「(俺は、俺自身の手で自分を殺してしまいたい。 大和にあんなに無理をさせていたなんて。 )」 武蔵「何か言ったか?よく聞こえなかったが。 」 提督「いや、何でもない。 ところで最近、大和が無理をしているように見えてな。 」 武蔵「そうか?普通だろう?特に変わった様子はないが。 」 提督「いや、大和はため込むタイプだからな。 俺に対して不平不満を言えていえず、ストレスをためているかもしれない。 」 武蔵「提督よ、馬鹿にしているのか?大和が貴様に不満なんぞ抱いているはずないだろう。 」 提督「とにかく、大和の相談に乗ってやってくれ。 内容を報告してくれれば善処するから。 頼んだぞ。 」 俺はそう言うと、執務室に戻った。 執務室で大和とお茶したが、無理している大和を思うと申し訳なく思い、早めに切り上げて寝ることにした。 大和…今まで気づいてやれなくてすまなかったな。 ~2日目~ 大和「…さっさと起きてくださいよ。 まったく。 」 提督「…うん。 おはよう、大和。 」 大和「おはようございます。 ご飯できてますから、さっさと食べてください。 」 提督「ありがとう。 ところで大和、その口調は?」 大和「もう我慢することは止めたんです。 武蔵から聞きました。 やっと気づいてくださったんですね。 」 …大和、やっぱりか。 嘘だと信じたかったが、現実は受け止めないとな。 大和「もう敬語なんて使う必要もないですね。 おい、クズ。 さっさと食えって言ったでしょう。 ろくに仕事できないんだから、少しは他の時間削って仕事にあててください!」 提督「…」 そうだ、せめて仕事をしなければ。 これ以上、大和や他の艦娘に迷惑はかけられないし。 そう思って仕事に打ち込むと、意外と集中して仕事に打ち込めた。 こんな時でも大和はきちんと料理を作って出してくれた。 いい艦娘と巡り会えたものだとこれほど感じたことはない。 ただ、あれが大和の素なのだとすると、将来がちょっと心配だ。 俺が提督を辞めても、新しい提督とうまくやっていってくれるだろうか?うまくいってほしいものだ。 ~3日目~ 大和「起きろよ、ゴミ。 」 提督「…」 大和「今日は医者に診てもらいますから。 クズがゴミだとちゃんと証明されないと、艦娘からクズを辞めさせられないんですよ。 理不尽ですよねぇ。 こっちはいつ轟沈させられたり、解体されるか分からない恐怖の中で毎日を生きてるのに。 あァ!何とか言ってみたらどうですか、ゴミ!」 提督「…」 大和「本当に不愉快だわ…大体、ケッコンカッコカリだって、なんでこっちから断れない仕様なのよ!こんなゴミにプロポーズされて嫌じゃない奴なんていないでしょwww」 提督「…」 大和「まあいいや。 提督じゃなくなれば、カッコカリは取り消されるみたいだし。 汚点は一生残り続けるから、そこだけは我慢しなきゃいけないわね。 クソがっ!」 提督「…」 大和「せめて他の奴ともすりゃいいのに、私としかケッコンカッコカリしないから、私だけが目立つじゃない!あァ!どうしてくれるの!?ゴミ!!」 提督「…なあ、大和。 」 大和「うわwwwしゃべれたんだwwwキモいから声出さないでよwww」 提督「俺の退役で、何とかならないか?」 大和「ゴミはこれだから…お前は辞めることは決まってるの!そのうえで私は嘆いているの!分かる!?」 提督「…じゃあ、俺の命で償えないか?」 大和「…ゴミごときの命でこの大和様に償いができるとでも思ってるの?まあ、死んでくれればうれしいことには違いけどね!」 提督「…そうか。 喜んでくれるなら、せめて最後くらいは…」 最後くらいは、大和を喜ばせて、笑顔を見たい…そう思ったとき、俺は自然とベット横の棚を開け、中からUSPを取り出し、頭に銃口を向けようとしていた。 大和「うわwww頭を真っ先に狙うとかwww痛みを耐える気概すらないのねwww」 大和はそう言って、USPを奪おうとしてくる。 たしかにそうだ。 俺も腐っても軍人の端くれ。 せめて腹あたりににぶち込んで即死はしないようにしよう。 そう考え、俺は無理やりUSPを下に向け、体を下に滑り込ませて引き金を引いた。 バンッ!!! 大和「…………!!………!!!」 大和が何かを叫んでいる。 よく聞き取れないが、なぜそんなに悲しそうな顔をしているのだろう?俺はただ、最後に…君の笑顔が…見たかった……だけなのに……… 薄れゆく意識の中で最後に俺が考えていたのは、ただそんなことだった。 しかし、心配な点があります。 提督が泣いていたんです。 武蔵と話をするために廊下に出るとき、確かに泣いていらっしゃいました。 お茶の時もずっと沈んだ顔をなさっていて、その後すぐお休みになってしまいました。 それと、武蔵が「提督の様子がおかしい、大和のことを心配していたようだが。 」と伝えてくれました。 大和、心配です。 突然口調がおかしいと言われましたし、(これに関しては、提督が心配で昨日あまり寝られなかったせいで本当におかしかった可能性があります。 )慌ててどこかおかしいところがあったか聞いても無言で執務室に行かれてしまいますし。 ご飯の時もずっと陰鬱とされていて、大和が話しかけてもずっと上の空でした。 お仕事はいつも以上になさっていたのですが、様子がおかしいので、大和がお休みなさるように言っても聞いてくださりませんでした。 武蔵に相談したところ、「あの様子は尋常ではない。 すぐに軍医を呼んで診察してもらおう。 何かあってから後悔しても遅いからな。 」と言われました。 大和もそう思ったので軍医さんに連絡を取ったところ、今日は緊急の案件があるので行けないが、明日の朝一で行くとのことでした。 これで一安心ですが、提督が心配なので、今日はこれから提督のお側で番をしようと思います。 何かあったら…嫌ですからね。 提督は一命をとりとめた。 原因は解明中。 軍医によると、何らかの薬による一時的な精神異常が疑われるとのこと。 軍医によると、起きても通常は問題がないのだが、精神異常により自傷行為等を行う危険性があるので眠らせているとのこと。 原因はゴミ箱の中にあったドリンク剤らしい。 あれには大本営からの指令書が付属していたはずなので、直ちに大本営と連絡をとったところ、「そのような薬剤を配布したという記録はない。 至急調査を行うので、しばし待て。 」とのこと。 元が船なのでいい漁礁になれるだろう。 本当に艦娘の名折れだ。 本当に良かったです。 その上、提督から「少しでも大和を疑ってしまってすまなかった。 これからもずっと側にいてほしい。 もちろん、離れたかったら言ってくれ。 」と言っていただけました。 最後の一言は余計ですが、大和の心配をしてくださるそのお気持ちはうれしかったので、少し頭をなでていただいたかわりに許しました。 これで、一件落着です! これからも、ずっと提督の、あなたの側で、大和は頑張ります。 だから提督、大和から離れちゃイヤデスヨ…。 提督が側にいナイこトを考えルダけデも…ジブンヲ…オサエラレナクナリソウダカラ………。 ~某所~ ??「くそっ!こんなに早くばれるとはな!もう少しで実験結果の詳細データを手にいれられたのに!」 武蔵「ほう…そいつは残念だったな。 」 ??「だっ、誰だ!そこにいるのは!?」 武蔵「すまんな。 私はまだ、命が惜しいんだ。 」 ??「ガッ!………」 武蔵「せめて苦しまないようにしてやった。 」 ??「………」 武蔵「ふむ。 私の姉は怖いからな。 ハハハ…提督のこととなると見境がなくなるから、な。 」 ~END~.

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